September 2006
September 26, 2006
ゼロの使い魔SS「ご主人様の憂鬱」第14話
かえでがホーエンローエをかばうように抱きついた直後に、二人はものすごい衝撃で突き飛ばされて、頭から腐った枯れ草の中に突っ込んだ。
口や鼻には泥が入り込み、背中に何かが乗って、かえでは地面に押さえつけられた。
続くであろう攻撃に身を固めたが、直後に「ぎゃん」という巨獣の鳴き声と、がさがさと木立を揺らして逃げていく物音がした。
そして、静寂が訪れ、かえではおそるおそる振り向いて背中を押さえつけている何かを確認した。
それはロングスカートの黒いワンピースに身を包み、フリル付きの白いエプロンとエプロン同様白いフリルの付いたカチューシャを身に付け、まとめられた長い髪の奥から切れ長の目でかえでを見つめていた。
恐ろしい爪から二人を救い、今、かえでの背中を片足で踏んづけているのはかえでより少し年上のお姉さんで格好はメイドだった。
「追いつきました、クラウ」
かえでの背中に足をかけたままのメイドが声を掛けた方向から魔法学院の黒いローブを着た少年が二人に駆け寄る。
「ホーエンローエ、無事か」
メイドが足下から二人を解放すると、クラウと呼ばれた少年はホーエンローエを抱きかかえた。
それまで小さく低く唱え続けられていたホーエンローエの呪文がそこで止んだ。
その途端にかえでは目の前が真っ暗になり、そのまま気を失った。
(応援ありがとうございます。もう少々お付き合いください)
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口や鼻には泥が入り込み、背中に何かが乗って、かえでは地面に押さえつけられた。
続くであろう攻撃に身を固めたが、直後に「ぎゃん」という巨獣の鳴き声と、がさがさと木立を揺らして逃げていく物音がした。
そして、静寂が訪れ、かえではおそるおそる振り向いて背中を押さえつけている何かを確認した。
それはロングスカートの黒いワンピースに身を包み、フリル付きの白いエプロンとエプロン同様白いフリルの付いたカチューシャを身に付け、まとめられた長い髪の奥から切れ長の目でかえでを見つめていた。
恐ろしい爪から二人を救い、今、かえでの背中を片足で踏んづけているのはかえでより少し年上のお姉さんで格好はメイドだった。
「追いつきました、クラウ」
かえでの背中に足をかけたままのメイドが声を掛けた方向から魔法学院の黒いローブを着た少年が二人に駆け寄る。
「ホーエンローエ、無事か」
メイドが足下から二人を解放すると、クラウと呼ばれた少年はホーエンローエを抱きかかえた。
それまで小さく低く唱え続けられていたホーエンローエの呪文がそこで止んだ。
その途端にかえでは目の前が真っ暗になり、そのまま気を失った。
(応援ありがとうございます。もう少々お付き合いください)
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September 22, 2006
ゼロの使い魔関連キャンペーンをまとめてみました
DVDを買う予定は無いのですが、キャンペーン一覧。
ゼロの使い魔 サンクスキャンペーン
DVD1巻、原作9巻、コミックアライブ11月号→タペストリー(原作9巻表紙絵)100名
MF文庫J 4周年フェア
フェア帯付き文庫4冊→タペストリー12名、しおり全員
ゲーマーズ通販 秋のツンデレ収穫祭(つよきす合同)
関連商品3,000円→クリアファイル(アニメ絵)先着
S-プレミアム 予約キャンペーン
DVD1巻→サイン入りポスター2名、サイン入り台本3名
ゼロの使い魔 サンクスキャンペーン
DVD1巻、原作9巻、コミックアライブ11月号→タペストリー(原作9巻表紙絵)100名
MF文庫J 4周年フェア
フェア帯付き文庫4冊→タペストリー12名、しおり全員
ゲーマーズ通販 秋のツンデレ収穫祭(つよきす合同)
関連商品3,000円→クリアファイル(アニメ絵)先着
S-プレミアム 予約キャンペーン
DVD1巻→サイン入りポスター2名、サイン入り台本3名
September 21, 2006
ゼロの使い魔9巻アニメイト限定版が店頭に山積み
ゼロの使い魔(9) アニメイト限定版
ゼロの使い魔フェア開催中(10/15まで)
ただし、しおり8種をコンプする為にはコミックアライブ11月号の購入が必須(ビスチェ柄)。
しおりはいらないけど、ルイズの誌上通販フィギュアの申込みの為に買うって人は過去のエントリーをご参照ください。
ゼロの使い魔フェア開催中(10/15まで)
ただし、しおり8種をコンプする為にはコミックアライブ11月号の購入が必須(ビスチェ柄)。
しおりはいらないけど、ルイズの誌上通販フィギュアの申込みの為に買うって人は過去のエントリーをご参照ください。
September 20, 2006
ゼロの使い魔SS「ご主人様の憂鬱」第13話
再び木の陰から「フゥッ」という威嚇と共に、二人に向けて巨大な獣の爪が横薙ぎに払われる。
かえではそれを視界の隅に捕らえると同時にホーエンローエの脇へと飛びずさり、細剣を斜めに構えて敵の爪を防ぐ。
直後、無防備に晒された巨獣のわき腹に攻撃を加えるが、固い毛皮にさえぎられ、やはり致命傷にならない。
「ギニャッ」とひと鳴きするが、敵は攻撃の体勢をとったままかえで達を伺いつつ草陰へと身を潜めた。
そのやや緩慢な動きを見てかえでは、相手にこちらの力を見透かされただろうか、と不安を覚えた。
もう時間稼ぎは通用しないかも知れないとかえでは思い至り、次の敵の攻撃に備えて剣を突けるように構えなおした。
がさっと下生えが揺れると同時にかえでは跳躍し、枝葉をかきわけて出てきた獣の鼻面に向けて剣を突き立てる。
ざしゅっと敵の馬面の眉間の間に剣は深々と突き刺さった。
……馬面?
草陰から飛び出してきたそれは馬の生首だった。
囮だ、と気付いて背後を振り返るかえでの目に飛び込んできたのは、爪を振り上げた巨大な獣がホーエンローエに襲いかかる光景であった。
ホーエンローエは微動だにせず呪文の詠唱を続けている。
剣の先には馬の頭が刺さっていて振り回せる状態ではない。
かえでは剣を捨ててホーエンローエに飛びついて覆いかぶさった。
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かえではそれを視界の隅に捕らえると同時にホーエンローエの脇へと飛びずさり、細剣を斜めに構えて敵の爪を防ぐ。
直後、無防備に晒された巨獣のわき腹に攻撃を加えるが、固い毛皮にさえぎられ、やはり致命傷にならない。
「ギニャッ」とひと鳴きするが、敵は攻撃の体勢をとったままかえで達を伺いつつ草陰へと身を潜めた。
そのやや緩慢な動きを見てかえでは、相手にこちらの力を見透かされただろうか、と不安を覚えた。
もう時間稼ぎは通用しないかも知れないとかえでは思い至り、次の敵の攻撃に備えて剣を突けるように構えなおした。
がさっと下生えが揺れると同時にかえでは跳躍し、枝葉をかきわけて出てきた獣の鼻面に向けて剣を突き立てる。
ざしゅっと敵の馬面の眉間の間に剣は深々と突き刺さった。
……馬面?
草陰から飛び出してきたそれは馬の生首だった。
囮だ、と気付いて背後を振り返るかえでの目に飛び込んできたのは、爪を振り上げた巨大な獣がホーエンローエに襲いかかる光景であった。
ホーエンローエは微動だにせず呪文の詠唱を続けている。
剣の先には馬の頭が刺さっていて振り回せる状態ではない。
かえでは剣を捨ててホーエンローエに飛びついて覆いかぶさった。
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September 12, 2006
ゼロの使い魔SS「ご主人様の憂鬱」第12話
暗闇の中で光る二つの目と向かい合うかえでの耳にカチカチと何か硬い物同士が小刻みにぶつかりあう耳障りな音が入る。意識を集中しようと歯を食いしばると音が止んだので、鳴っていたのはかえで自身の奥歯なのだろう。
大きな獣のようなうなり声も止み、ホーエンローエが低く小さく唱える呪文だけがかえでの耳に伝わる。にらみ合いが始まってしばらく経つが、ホーエンローエの呪文はまだ終わる気配は感じられない。
「フゥッ」
と獣が短く息を吐く音がしたと同時にガサッと草木が揺れ、大きな黒い影が飛び出し鋭い爪を振り上げた。
爪の描く弧の先にはホーエンローエの首がある。
「あっ」
すばやく跳ね上がったかえでの両手が細剣で獣の爪をいなす。
ギャリンと金属同士がこすれ合うような音がして、爪は空を切った。
かえでは剣を振った勢いで転がるようにホーエンローエの前に躍り出、片膝をついて止まった。
獣の影は再び森の闇の中に消えたが、まだこちらを伺っているようだ。
ガサッと木々を揺らす音と共に今度は獣の影が高く飛び上がって二人を頭上から襲った。
「ひゃ」
驚いたかえでは片腕でホーエンローエを抱え上げ獣の落下点から飛びのくと、細剣を片手で構え着地の勢いで飛び掛ってくる敵に一閃を浴びせた。
「ギャッ」
と短く鳴き声をあげ、獣は木々の裏に回った。かえでが与えた傷は浅かったようで、相手はまだ二人を諦めてくれないようだ。
脅威は去っていないが背後から聞こえる呪文が頼もしく感じられ、かえでの心を落ち着かせ、また気力をみなぎらせてくれた。
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大きな獣のようなうなり声も止み、ホーエンローエが低く小さく唱える呪文だけがかえでの耳に伝わる。にらみ合いが始まってしばらく経つが、ホーエンローエの呪文はまだ終わる気配は感じられない。
「フゥッ」
と獣が短く息を吐く音がしたと同時にガサッと草木が揺れ、大きな黒い影が飛び出し鋭い爪を振り上げた。
爪の描く弧の先にはホーエンローエの首がある。
「あっ」
すばやく跳ね上がったかえでの両手が細剣で獣の爪をいなす。
ギャリンと金属同士がこすれ合うような音がして、爪は空を切った。
かえでは剣を振った勢いで転がるようにホーエンローエの前に躍り出、片膝をついて止まった。
獣の影は再び森の闇の中に消えたが、まだこちらを伺っているようだ。
ガサッと木々を揺らす音と共に今度は獣の影が高く飛び上がって二人を頭上から襲った。
「ひゃ」
驚いたかえでは片腕でホーエンローエを抱え上げ獣の落下点から飛びのくと、細剣を片手で構え着地の勢いで飛び掛ってくる敵に一閃を浴びせた。
「ギャッ」
と短く鳴き声をあげ、獣は木々の裏に回った。かえでが与えた傷は浅かったようで、相手はまだ二人を諦めてくれないようだ。
脅威は去っていないが背後から聞こえる呪文が頼もしく感じられ、かえでの心を落ち着かせ、また気力をみなぎらせてくれた。
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