September 20, 2006

ゼロの使い魔SS「ご主人様の憂鬱」第13話

再び木の陰から「フゥッ」という威嚇と共に、二人に向けて巨大な獣の爪が横薙ぎに払われる。
かえではそれを視界の隅に捕らえると同時にホーエンローエの脇へと飛びずさり、細剣を斜めに構えて敵の爪を防ぐ。
直後、無防備に晒された巨獣のわき腹に攻撃を加えるが、固い毛皮にさえぎられ、やはり致命傷にならない。
「ギニャッ」とひと鳴きするが、敵は攻撃の体勢をとったままかえで達を伺いつつ草陰へと身を潜めた。
そのやや緩慢な動きを見てかえでは、相手にこちらの力を見透かされただろうか、と不安を覚えた。
もう時間稼ぎは通用しないかも知れないとかえでは思い至り、次の敵の攻撃に備えて剣を突けるように構えなおした。
がさっと下生えが揺れると同時にかえでは跳躍し、枝葉をかきわけて出てきた獣の鼻面に向けて剣を突き立てる。
ざしゅっと敵の馬面の眉間の間に剣は深々と突き刺さった。

……馬面?

草陰から飛び出してきたそれは馬の生首だった。
囮だ、と気付いて背後を振り返るかえでの目に飛び込んできたのは、爪を振り上げた巨大な獣がホーエンローエに襲いかかる光景であった。
ホーエンローエは微動だにせず呪文の詠唱を続けている。
剣の先には馬の頭が刺さっていて振り回せる状態ではない。
かえでは剣を捨ててホーエンローエに飛びついて覆いかぶさった。
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shinji_i at 16:20│Comments(0)TrackBack(0)ゼロの使い魔 | SS

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